2008年8月21日木曜日

登り窯を造っています。


これは、明治時代 空知集治監という監獄にあった登り窯の写真です。
このころの日本国内の監獄では安価で丈夫な建築資材としてレンガを使うことを推奨していました。
しかも、監獄内に製造施設を作ると被収容者を作業に使うことができるので更に費用を削減することができます。
網走監獄(刑務所)でも、所内でレンガを製造、有名なレンガ門塀や、倉庫、独居房など多くの建築物を築造しています。

当館は、今年で開館から25周年。
記念事業としてレンガ製造用の登り窯を館内に再現することにしました。
工事は、8月から本格的に着手しました。


レンガを積み上げているのは、北海道野幌のレンガ職人さんたちです。
月末に、レンガを焼く予定があったため土日返上で作業を行ってくれました。

一つ一つ手作業でレンガは積み上げられていきます。
図面で見てはいたものの、この様子を見て初めて登り窯の構造が理解できました。


これは、窯の一番前側、燃焼室を作っているところ。
複雑な曲面を職人の熟練の技術が形にしていきます。



階段状に焼成室が連結された『登り窯』の形が現れてきたころです。

殆どの工程が終わり、雨覆いのブルーシートが剥がされていきます。


どきどきしますねぇ。そして・・・



『登り窯』が姿を現しました。美しいじゃないですか。
乾燥させなくてはならないので、このあとすぐに本体を直接ブルーシートで覆いなおしました。
現在は見ることができません。

本体工事を急いだので周辺整備が残っています。
それと、本番で使う薪割り・・・・

レンガは、網走監獄のイメージの素となっている建設資材。
明治・北海道・監獄と繋いでいく『原点』ですよね。
しかし、この登り窯は、これからどんな使い方をしていくか、未知数な部分もあります。
体験学習的な使用が中心になると思いますが、近隣の皆様に使ってもらうようなこと、
また、館内整備の資材作りといったようなこともあるでしょう。
『過去』と『未来』を繋いでいく施設にしなくては、と考えています。