2020年4月30日木曜日

博物館のお仕事

「囚人用の布団干し」

久しぶりに青空が広がった今日 日の光を待ちわびていました。
何故なら 冬期間の雪によって、展示用布団が濡れた状態になっているのとリスが胡桃を布団の中にかくすため、布団が破れていたり汚れているからです。暖かくなる4月はいつも、布団の除菌と布団干しの仕事が待っています。 30枚の布団を運び敲きながら干す作業は一苦労でしたが、日光を浴びて囚人用布団も心持、ふわふわになったような気がしています。囚人用の渋柿色の布団は明治時代に監獄法で定められた色です。中国の囚衣を模倣した色で、浅黄色(水色)の布団は大正末期から昭和初期の日本の監獄独自の色です。
明治時代は、一般人と犯罪者を明確に区別するために、渋柿色すなわち目立つ色を犯罪者の囚衣と布団に使ったのです。これら布団も当時は監獄内で縫製され作られていました。
布団の綿の量も法律で定められていたので、暖かい布団が欲しくて看守さんの目を盗み
綿の量を多くいれたりすると規則違反で懲罰が課せられたそうです。