網走監獄煉瓦造り独居房
(懲罰房)
(懲罰房)
博物館の中には煉瓦の建物が6棟あります。明治の監獄建築を25棟移築復原再現している博物館の中に6棟の煉瓦建築があります。
なぜでしょうか?
実は、明治時代の監獄は西欧の監獄を模倣し煉瓦の製造を囚人たちに指導し、監獄の中で煉瓦を焼いていました。焼き上げた煉瓦は囚人作業により積み上げ、監獄の塀、獄舎、独居房など多用しました。従来の監獄建造物は木造で火災に弱いので煉瓦建築を導入することで火災から囚人を守る意味もありました。
網走監獄では、明治27年に煉瓦製造を始めています。ここに紹介する独居房は明治45年に完成し昭和の初めまで使用された懲罰専用の独房で登録有形文化財に登録されています。独居房には窓がなく、扉は二重、しかも煉瓦壁の厚さ40センチと暗く圧迫感と閉塞感を感じさせる独居房ですが、屋根は瓦を葺いています。いかにも和洋折衷です。囚人たちにとっては恐怖を感じる建物でした。規則違反者を独居房に入れ反省させる房ですので泣き叫んでも暴れても囚人の声は外に漏れないのです。
懲罰専用の煉瓦造り独居房が残されているのは網走監獄だけです。