今日から博物館も新年度です。
民間財団運営の博物館ですので入館料収入のみが頼り。
かなり厳しい一年になるのは覚悟で頑張ろう!・・ということで、午後はニポポの森に入りました。
この森の端っこのほうに、当館の雑用水汲み上げ用の井戸があります。
雪も融けてきたので揚水ポンプを動かすぞっ!ということで点検に行っていました。
井戸の脇には、小さなせせらぎがあります。
かつてこのあたりに住んでいた人がいるらしく、その井戸跡が湧水のようになって流れを作っているのです。
冬も凍ることなく静かに網走川に流れ落ちているせせらぎ。
流れの袂ではフクジュソウが咲き、カエルが鳴いていました。
水の中にちらちらと動くものがあります。
覗き込んでみると・・・
小さな魚?すごい数です。
群れになるとかなり魚影が濃い感じ。
一匹、掬い上げてみました。
「鮭の稚魚」です!
20数年、この作業は春の恒例行事なのですが稚魚を見つけたのは初めてです!
そういえば・・・
去年の11月、 「遡上」 というタイトルのブログで、ここで弱ったサケを見つけた話を・・
あの時のサケの稚魚たちなんでしょうか。
まず、ここにサケが遡上できることが、潮位や雨量などのタイミングが合わなくては起こらないこと。
しかもそのサケが産卵し、しかもオスのサケがいて、その卵が受精して・・・
様々な条件が偶然一致しての姿なんだと思うと、感動的ですらあります。
掬い上げた稚魚を、そっと流れに戻しました。
この稚魚が、うまく網走川までたどり着き、そしてオホーツク海に。
何年か回遊してもう一度網走川を遡ることは、奇跡みたいな確率でしょう。
それでも、がんばれよ!
もう一度帰ってこいよ!と声をかけずにはいられないような気持になりました。