2012年4月20日金曜日
博物館網走監獄が保存する旧網走刑務所建築物7棟が有形文化財として登録される見込みとなった件について
博物館網走監獄が保存公開している旧網走刑務所建築物7棟が、平成24年4月20日開催の文化審議会文化財分科会の答申を受け登録文化財として認定をされる運びとなりました。(正式な登録は平成24年7月見込)
このことにより平成17年に登録となった五翼放射状舎房、教誨堂、二見ヶ岡農場建築物群の3棟を含み網走刑務所より当館に移築保存を行った建築物10棟すべてが登録文化財と認定をされることとなります。
奇しくも、本年は博物館網走監獄の設置より30年の節目であり、且つ4月より新たに公益財団としてスタートをした年でもあります。こうした機会での登録有形文化財の追加認定は誠に喜ばしく、同時に身が引き締まる思いでいます。
今後とも貴重な文化財の保存公開を通じて、網走刑務所(監獄)が北海道開拓に果たした功績を伝え続けてまいる所存でおります。
平成24年4月20日
公益財団法人 網走監獄保存財団
博物館網走監獄 館長
代表理事 理事長 鈴木 雅宣
1・登録見込みとなるまでの経緯
平成22年度より館内に移築した網走刑務所旧建築物の今後の保存について、『館内歴史的建築物保存調査事業』に着手。建築史の権威、古建築物保存のエキスパート等の指導を受けながら建物の実測調査を進めてきた。この中で指導を仰いだ角幸博北海道大学名誉教授より「移築物件すべてが登録有形文化財として認定を受ける資格を有する貴重な文化財である」との助言を受け、平成23年秋網走市、北海道の指導、助言を受けながら登録文化財申請作業を進めた。本年2月、文化庁文化財部登録部門担当者の実地検分を受けたところである。
2・今回、登録有形文化財となる運びとなった7物件について
①旧網走刑務所(以下省略)庁舎 明治45年建築、②煉瓦造り独居房 明治45年建築、③裏門 大正8年建築、④鏡橋入口哨舎、⑤鏡橋出口哨舎、⑥西門哨舎、⑦裏門哨舎 ④~⑥明治45年建築
3・登録文化財を中心に撮影した『写真集 博物館網走監獄』の刊行について
主に明治期に建築された網走監獄建築物の建築美を後世に残すとともに博物館網走監獄の新たな役割を伝える機会として、当館初の本格的な建築写真集「写真集 博物館網走監獄」を4月20日付で刊行いたしました。写真集で取り上げたのは、登録文化財である移築建築物10棟です。定価3,150円、当館ミュージアムショップほか、札幌市内大型書店、網走市内書店でも取り扱っていただけることとなりました。