2015年10月16日金曜日

旧網走刑務所建築物2件8棟が重要文化財として指定される見込みとなった件について

博物館網走監獄が保存公開している旧網走刑務所建築物2件8棟を含む10件の建造物が、平成271016日開催の文化審議会文化財分科会の審議・議決を経て重要文化財に指定することが文科大臣に答申されました。
この結果、近日中(23ヶ月以内)に行われる官報告示を経て、重要文化財(建造物)指定となる予定です。
本年は博物館網走監獄設立を目的とした財団設立より35年の節目であり、設立当初の目的の一つであった旧網走刑務所建造物の価値の重要性を伝えることが、重要文化財指定という素晴らしい評価を得たことは誠に喜ばしく、同時に身が引き締まる思いでいます。
今後とも貴重な文化財の保存公開を通じて、網走刑務所(監獄)が北海道開拓に果たした功績を伝え続けてまいる所存でおります。
                       
1・これまでの経緯
平成22年度より博物館網走監獄に移築した網走刑務所旧建築物の『館内歴史的建築物保存調査事業』に着手。建築史の権威、古建築物保存のエキスパート等の指導を受けながら移築保存を行った建造物の再実測調査、設計図面資料の整理等を進めた。この結果に基づいて平成24年に、旧網走刑務所建造物7件の登録文化財申請を行い、平成17年の3棟に続き旧網走建築物10棟すべての登録文化財として登録がなされた。
平成25年度から平成26年度にかけては重要文化財登録を目指し、各建造物の修復履歴調査に取り組んだ。作業は北海道内建築史の権威、北海道大学名誉教授角幸博氏の主宰するNPO法人歴史的地域資産研究機構に委託、完成した報告書は網走市教育委員会、北海道教育庁を経由し、文化庁に提出をした。
なお、本調査報告書の作成に対しては2年に亘り北海道(地域づくり交付金計310万円)及び網走市(網走市補助金計150万円)より助成をいただいた。

2・今回、答申を受けた2件8
一、 旧網走監獄 庁舎、舎房及び中央見張所、教誨堂

二、旧網走刑務所二見ケ岡刑務支所(二見ケ岡農場) 庁舎、舎房、教誨堂及び食堂、鍵鎖附着所、炊場