2008年6月6日金曜日

歴史を感じてもらうということ

地元のフリーペーパーで、仕事の様子が紹介されました。紙面からでは伝わらないかもしれませんが花壇としてはかなり大きなものです。

レンガを組んだのは去年の秋、球根や何種類かの宿根草の苗を植え込みました。このアイデアを思いついたのはその数年前です。やっと形になりました。




記事にもありますが、レンガは網走刑務所から建築資料として払い下げを受けていたものです。今回使った資材はほとんどがサイロとして使われていたもの。

一部ですが網走刑務所正門の建築資材も使っています。(黒っぽい色のレンガが正門の部材です。)





上の写真は、サイロが使用されていた当時の写真です。撮影は1997年10月、10年以上前にしたものです。

北海道らしさを感じる趣があるサイロでした。何とか館内に移築しようとしたのですが構造体としてはかなり弱っており、壊さずに搬出するには莫大な費用がかかることが判明。復原をあきらめました。

その後、網走刑務所が施設改修を進めていく際に、いよいよ解体撤去ということになり解体資材の一部を当館に運び込んでいたのです。

一切手を加えずにそのままの状態で組みました。部材に近づいて見ていただくと飼料の搬出入口の蝶番や、ごついボルトが残っているのがわかります。









同時に石を組んで作った花壇を4箇所作りました。

この石はかつて網走刑務所の木造建築物の基礎材として使われていたもの。建設時に当時の囚人たちの作業で敷地内から切り出した軟石です。基礎の換気口だった部分もそのまま組み立てました。模様が彫刻された蓋もそのままです。









歴史的建築資料としてガラスケースで保管し、公開する手段もあったでしょう。しかし
こうして見学者の手の届くところに置くことにこだわってみました。何れにしろ石もレンガも長い時間をかけて風化していきます。

どうぞ手に触れて歴史を感じてはいただけないでしょうか。